姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
乙矢は、セットした髪をぐしゃりと手で撫で崩した。
慣れていないせいで、うっかりやってしまったという印象だった。
慌てて、手櫛で髪の流れを戻している。
「じゃあ、お兄ちゃんがうちに来たのは……」
「そう。こっちに『登録』の無い、
吸血鬼がいるって情報が入ったから。
まだ、この地域のどっかにいるって段階だったんだけど、
荷物置かせて貰うついでに里帰りと思ったら、
いてびっくりした」
それまで大人しく話を聞いていたエリアルが、
急にそっぽを向いた。