姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



(それに今、体の中で……時計のような音が……)
 
即死ではないから、おそらく右胸なのだろう。

やがて彼女は、ある事を思い出した。
 
家出した自分を匿っていた、組織の誰かが言っていた。
 

『何をするにしても、戦うな。遊べ』と……。

遊びに熱くなってはいけないとも言われた。
 
それは、もしも本気で怒ったら……自分を制御出来ないほどの状態に陥ったら、

そこでゲームオーバーになるからだと、言われた。
 

彼女は単に、ヘマをしないための戒めだと思っていた。
 

しかし、事実はもっと深刻なものだった。


(そうか……爆弾が……)


――感情が昂りすぎて、体の制御も利かなくなった私は。



フェニックスにとって『役立たず』になったから……。


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