姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
でも、それ以外の傷の治りは、エリアルとまではいかなくても、
普通の人間以上のスピードで治っていくらしい。
骨折したおっちゃんも、明後日辺りにはギプスが外れるかもしれないという見立てだった。
「そういえば……君と雪絵は、どこから走ったんだい?」
俺は、姉さんの学校の付近の駅名を答えた。
「そんな場所から! 何十キロも!」
「うん……」
そういえば、いつまでもいつまでも走っていた気がする。
「君はもしかしたら……既に乙矢に『薬』を盛られていたのかもしれないね。
通常、こんなふうになってるものなんだけど、見覚えないかい?」