白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「じゃあ、決まりね!」

「いや、ママ、そんなに急に娘を嫁に出す事にするなんて・・・僕の覚悟が・・・。」

パパが小さい声で抗議する。

パパは、ママからいろいろ聞いていたのだろう。

私たちが付き合う部分には異論が無かったみたいで、大人しく聞いていたが、急に結婚の話しになったから驚いたみたい。

私だって、ゆう君とさよならしようと思っていたのに、付き会う事になるだけでも急展開で、心臓も頭も爆発しそうだ。

更にステップアップの結婚なんて、驚いてます!

「あら、パパ。ゆう君なんて理想の貰い手じゃない?高身長・高学歴・高収入、昔の3高なんて今はツチノコくらい珍しいんだから。それに、なんといったって、娘が1番好きな人の所にお嫁さんにいけるんだから、それを親が喜ばなくてどうするのよ!」

ママの勢いは止まらない。

「・・・それも、そうだね。」

渋々納得の域に達したパパがちょっとだけかわいそうになる。

でも、パパもママも喜んでくれている事が嬉しい。

私は幸せ者だ。

「こうしちゃいられない。望さんに電話しなきゃ。式場とかドレス選びとか相談しなきゃ!」

スマホをどこかへ取りに行くママを追いかけて、パパまでリビングを出て行ってしまった。

こんな遅い夜に電話なんて失礼では?

おーい、誰の結婚式だか、わかっているのかーい?



ふーー。

大きな溜め息が出る。

先が思いやられる。

これじゃ、あっという間に結婚しそうだな、私・・・。

嫌じゃないけど、今までお付き合いだってした事が無いんだもん。

甘い恋人時代を少しはすごしたいと思うのですが・・・。




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