ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「なるほどな。調べてみる価値はありそうだぜ」
「アルバさん協力して下さるんですか!?」
「俺は金になりそうなことは何にでも手を貸すんだよ。シュヴァルツは犯人を知りたがってるだろうしな。犯人を突き止めてその分も請求してやる」
そんなことを言っているけれど、彼の表情を見ていると、本当はお金だけではないんじゃないかと思った。
シュヴァルツさんのことを話すときの彼は、眉が垂れ、柔らかくなる。
彼もシュヴァルツさんの力になりたいって思っているひとりなのかも。
「……おふたりとも、外を見てください。何やら騒がしくなってきました」
ノア君は閉めきられたカーテンを少しだけずらし、外の様子を確認した。
たしかに住民たちの騒ぐ声が聞こえ、窓の隙間からは外を駆け回る人影が見える。
そこには黒い馬に、赤い服の軍隊の姿も目に入った。
「ベルベットの奴ら、なんでこんなとこまで来てんだ?人間探しなら、こんな街中にいるわけねぇだろ」
呑気なアルバさんとは違い、私は窓枠から離れてカタカタと震えだし、ノア君はそばへ来て支えてくれる。
アルバさんは「おい、なんだよ」と首を傾げながらこちらへ近付いてきて、私の頭を撫でようとしたが、その手が私の頭に触れる前に、玄関のチャイムが鳴った。