ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

ヴーッという短い音だったが、私たち三人は固まった。

『門番シュヴァルツ。開けろ。貴様に人間誘拐の容疑がかかっている』

扉の外から声が聞こえる、ひどく機械的で、不気味な声。

その代わり、あれだけ聞こえていた馬の蹄や軍隊の足音が止んでいた。

さっきまで、この家を囲むように聞こえていたのに。

『門番シュヴァルツ、いないのか』

責め立てる扉の声に動揺しているのは私とノア君だけで、状況がつかめないアルバさんが部屋の扉を開けようと動いたため、彼の腕を掴んで引き留めた。

「待ってください!開けてはダメです!」

小声でそう叫ぶと、彼も掠れた声で言い返した。

「大丈夫だろ。なんでシュヴァルツが怪しまれてるんだか知らねえが、何もねえんだからベルベットに調べさせてやればいい。あいつらは迷い込んだ人間がこの部屋にいないことを確認すりゃ満足なんだ」

「お願い、待って……!」

ドアノブに力を入れようとした彼を、さらに強い力で引き留めた。

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