ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

「……このヴァイオリンと、引き替えだったのです……」

「何が」

「……名前を貸してほしい、と。わたくしが四回、人間界へ旅行をしたことになるよう申請をすれば、このヴァイオリンをわたくしに下さると、そう取引を持ちかけられたのです」

「なんだと!?替え玉しやがったのか!?分かってんのか、人間界への旅行権利を他人に譲ることは重罪だぞ!」

「……分かっておりました。取引をしたその方は、人間界で欲しいものがある、と。その品は、オークションに出品すればこのヴァイオリンより価値のあるものだから、名前をお貸しすればこれをわたくしに下さると……そう言っておりました」

「取引の相手は誰だ!?」

オリーヴィアさんは滝のように涙を流しながら、その名前を言った。

「……ダークナイト様です」

彼女の答えを聞いた途端、アルバさんは目を見開いて、言葉を失っていた。

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