ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

「アルバさん! 私、司会者に抗議してきます!」

「は? おいおい」

いてもたってもいられずに立ち上がり、座席から通路へ出ようとすると、アルバさんは腕を掴み、強い力で座席へと引き戻す。

「お嬢ちゃん、無茶すんな。また転んでケガするぜ。ここで血を流して人間だとバレたら終わりだろ」

「でも……!」

「ここの奴らにいくら抗議したって無駄だ。今は大人しく座ってろって。な?」

言い合いをする私たちをよそに、ステージでは二人目の競売が始まっていた。

ニュースで写真が報道されていたショートカットの女の子が青いドレスを着せられ、怯えきってカタカタと震えている。

またすぐにコールの声で沸き立っていく。

「四十四番!強い!二人目も金貨四万で落札!」

ハインリヒが最後まで競ったけれど、またあの黒髪の男が落札した。

「続いて、三人目の人間です!」

あっという間に三人目が運ばれてきて、クロスがとられた。

「水無月さん……!」

大学で見たことがあるその女の子は、黄色のドレスを着せられていた。

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