ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「さあ!それではオークション、最後の品となりました!皆さまは下界の噂はもう耳にされたことでしょう。人間が迷いこんでおり、そしてそれはなんと百万人にひとりの、極上の血の持ち主!もちろん彼女をオークションの品として皆さまにお届けする予定でしたが……」
ステージを照らしていたライトの光が素早く動き、はるか頭上から、私を照らした。
「たった今、会場に連れてくることに成功しました! さあ、彼女の競りを開始します!」
私はライトアップされながら、呆然とするしかなかった。
この会場に連れて来られたことは罠だったんだ。
おそらく受付でアルバさんが奥に連れていかれたときからもう、変装したダークナイトに入れ替わっていた。
やられた、気付かなかった。
前列にいた富豪たち、そして同じ列にいた富豪たちの顔が、一斉にぐるりと私に向けられた。
その仮面の奥の、欲望に駆られた赤い瞳に四方から囚われたようで、私は心臓を握りつぶされるほどの気味の悪さにゾッとした。
「あ、あの……私は売り物じゃありませんっ……! 無理やりここへ連れてこられたんです……!」
カタカタと震えながらどうにか声を絞り出すと、周囲の貴族たちは首を傾げた。