ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋

ほんのわずかだが視界がクリアになっていることに気付いた私は、自分の足に目を落とし、素肌の色を確認した。

「……あっ……」

非の打ち所のない白だったはずが、今はクリーム色の混じった人間の肌の色に戻っている。

おそらく瞳も黒く戻っているのだろう。

「あ……あ……私っ……」

そうか、もう夜になってからかなりの時間が経っている。

シュヴァルツさんに血を吸ってもらっていないから、人間の姿に戻ったのだ。

「皆さま、お分かりいただけましたでしょうか。これは人間です。そして今から、彼女が極上の血の純潔であるという証をお見せ致しましょう」

ダークナイトは貴族たちに向かってそう宣言すると、私を前に立たせて再度ぐるりと視線を集め、顎を掴み、首筋に鋭い爪を立てた。

「やめてっ……」

刃物のような爪を突きつけられ、これが少しでも触れれば、血が流れ出すことが予想できた。

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