ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
騒がしさを取り戻したギャラリーと、すでに私を手にいれたかのように視線を向けてくるハインリヒに気味が悪くなり、吐き気がした。
再び私を競りに出すなんてシュヴァルツさんは何を考えているのか、変わらない表情からは読み取れない。
でも、必ず助ける、と言われた。私はそれだけを信じて、どうにかここに立っている。
「十万だ!十万から始めろ!」
ハインリヒが叫び、ギャラリーは沸き立った。
先ほどまでは金貨五万で人間を競り落とせていたはずが、私の競りではいきなりその二倍に膨れ上がったのだ。
「十二万」
すかさずシュヴァルツさんも値を吊り上げ、その後すぐにハインリヒもコールした。
「十五万!」
「二十万」
周囲はどよめく。
ハインリヒは舌打ちをし、次に疎ましそうに笑ってみせた。
「門番シュヴァルツ、馬鹿げた真似は止せ。すでに三人の人間に大金を注ぎ込んでいる貴様に、そんな金が残っているものか」