ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
今置かれている状況は、私にはよく分からない。
それでも、私がここにいることは、シュヴァルツさんやノア君にとって迷惑だということは分かった。
いつだってそう。私は人を困らせるのだ。
「ごめんなさい……」
考えるよりも先にそう言っていた。
ふたりは言い合いをやめて、こちらを見る。
膝の上で組んでいる手をキュッと握りしめ、俯いてそこに目を落とす程度に頭を下げた。
相手を困らせている、そう思うと、昔を思い出して全身が震えてくる。
それは見知らぬ洋館の中でも、相手が人間でなくても、同じことだった。
「私のせいで迷惑をかけてしまって……本当に、ごめんなさい」
謝って生きてきたせいで、すっかりこれが口癖になっている。
どんな状況であっても、人に迷惑をかけて居場所を失うことほど、私にとって恐ろしいことはなかった。
自分が情けない。
どんな恐怖よりも、結局一番怖いものは昔から何も変わっていないなんて。