ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
すらりと長い足を組み変え、彼は話を続けた。
「お前のような人間は、ヴァンパイアどもの格好の獲物だ。甘美な“極上の血”の持ち主であり、なおかつ“純潔”を備えている。百万にひとりも存在しない貴重な人間だ」
「純潔って……?」
「純潔を持つ人間は価値が高い。血の匂いで、お前が処女だということはすぐに分かる」
「ちょっ……」
冷静に話を聞いていた私も勢いよく椅子から立ち上がっていた。
純潔って、つまり処女っていうこと?
たしかに私は処女で、今日までキスすらしたことのなかった生娘だけど、そんな涼しい顔ではっきり言われるなんて……!
言い返そうにも恥ずかしい言葉を使わなければそれもできず、私はただ口をパクパクさせるしかなかった。
黙って隣に立っているだけのノア君も、子供が聞いてはいけない話だという自覚はあるらしく、耳を真っ赤にして目を逸らしている。