ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋


「あ、あの、私がその……処女だと、何か問題あるんですか」

「人間の血は、純潔を奪ったヴァンパイアにのみ、特別甘美な味わいを与える。誰もがお前の純潔を奪い、その血を味わえる者となるために群がってくるはずだ」

純潔を奪う、処女を奪うというのはつまり……。

私を襲おうとした犯人のことを思い出した。

あそこで捕まっていたら、私は何をされていたんだろう。

誰もが私の純潔を奪い血を吸いたがる、という彼の言うことを素直に想像すると、男の人が自分に群がってくる様子ばかりが思い浮かび、体中に寒気が走った。

考えただけで恐怖だ。

ヴァンパイアの存在をさっき知ったばかりの私にとって、こんな話をいきなり聞かされても、まるで空想話のようなもののはずなのに。

それでも館で襲われかけたときのことを思い出すと、すべて合点がいく。

あの人も私のことを“極上の血”だと言い、真っ赤な目をギラギラさせて追いかけてきたのだから。

< 41 / 209 >

この作品をシェア

pagetop