ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「あ、あの、私がその……処女だと、何か問題あるんですか」
「人間の血は、純潔を奪ったヴァンパイアにのみ、特別甘美な味わいを与える。誰もがお前の純潔を奪い、その血を味わえる者となるために群がってくるはずだ」
純潔を奪う、処女を奪うというのはつまり……。
私を襲おうとした犯人のことを思い出した。
あそこで捕まっていたら、私は何をされていたんだろう。
誰もが私の純潔を奪い血を吸いたがる、という彼の言うことを素直に想像すると、男の人が自分に群がってくる様子ばかりが思い浮かび、体中に寒気が走った。
考えただけで恐怖だ。
ヴァンパイアの存在をさっき知ったばかりの私にとって、こんな話をいきなり聞かされても、まるで空想話のようなもののはずなのに。
それでも館で襲われかけたときのことを思い出すと、すべて合点がいく。
あの人も私のことを“極上の血”だと言い、真っ赤な目をギラギラさせて追いかけてきたのだから。