ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
私の言葉を聞いて、ノア君は瞳をキラキラさせて「もちろんです」と胸を張っており、その姿はなんとも子供らしくて可愛らしい。
シュヴァルツさんもそれを否定はしなかった。
「ノアは俺を騙せるほどの頭を持っていない。考えつかないのだろう」
「なっ、シュヴァルツ様!ノアを馬鹿にしておられるのですか!?」
ふたりのやりとりが心に滲みた。
「ふふふ……」
愛想笑いではない心からの笑顔は、久しぶりだった。
「私、ノア君はとても賢いと思いますよ。ノア君がいなかったら、今ごろもっと不安だったはずですし。一緒にいてくれて心強いです」
素直に思ったことを口に出したつもりだった。
しかし、シュヴァルツさんはひきつった表情に変わり、ノア君も真っ赤になって口をパクパクさせ始める。
私は何か変なことを言っただろうか。
不安になり、シュヴァルツさんを見た。
「お前……、よくそのようなことが言えるものだな。好意を伝えるなど、相手に弱みを握らせるも同然だ。ヴァンパイアの前では口にするな」
「思ったことを言っただけだったんですけど……。変なことだったなら、ごめんなさい」
ノア君は首を横に振った。
「驚きました。僕、誰かに好意を伝えられたことなんてなくて……こんなに幸せな気持ちは初めてです」