ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
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ベルベットの騎士団の目を盗んで進みながら、やがて目的地である城にたどり着いた。
門の前に立っていた兵士の格好をしたヴァンパイアが「誰だ」と一度剣で威嚇をしてきたものの、シュヴァルツさんの顔を見たとたん、慌てて剣をしまい、頭を垂れて門を開けた。
そこから上へと続く石で作られた螺旋階段を、三人で登っていく。
カツン、カツンというシュヴァルツさんの靴の音が、私のパンプスよりも鋭く響いている。
それに遅れないように私も歩いた。
「ここは『黒の塔』といいます。軍を統率し館の運営を担っている指揮官・ネロ様が駐在している場所です」
ノア君の親切な説明に、コクリと頷いた。
とにかく、シュヴァルツさん以上に偉い人がこの塔にいるということだ。
シュヴァルツさんはもともとネロという人物に会いに行くと言っていたから、一応最初の目的に向かってきちんと進んでいることに安堵した。