ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
「あの、シュヴァルツさん。私は気にしませんから、こっちで一緒にベッドに入りましょう」
布をめくってそこに入るよう促したが、彼はまたこちらを睨む。
「……同じことを何度も言わせるな」
少しも体を動かすことなく、シュヴァルツさんはまた目を閉じた。
寂しさを感じたが、私は諦めてベッドへと潜り込んだ。
パチパチという終わりかけの暖炉の音だけが、静かに部屋に響いている。
ベッドの中で、処女を奪われる口実を与えるなという彼の忠告を思い出していた。
もし、口実を与えてしまったとしても……私はシュヴァルツさんになら、すべてを奪われてもいいのかもしれない……。
ハッとして、私は何を考えているんだろうと恥ずかしくなり、ベッドに顔を埋めた。
いつまでも胸が鳴りやまない。