極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

「いいえ。他にもありますけど、ふたりを観察していると、いろいろ見えてくるんですよ」

彼女は意味深な言葉を投げる。

「いろいろ見えてくるって……何が⁉︎」

彼女を問い質そうとしたら、秘書室のドアが開いて片桐君が入ってきた。

「おはようございます。おや、お姉様方、何の秘密会議をしているんですか？」

私と美希ちゃんを見て彼がにこやかに笑う。

「最近、片桐君が生意気だって柚月先輩に相談していたのよ」

頭の回転の速い美希ちゃんは咄嗟に言い繕う。

「何言ってるんですか？僕を毎日顎で使っているくせに」

呆れ顔で自分の席に着く片桐君を見て美希ちゃんは私に視線を戻した。

“誤魔化せましたね”という目で笑っている。

その後は通常通り仕事をしていたが、お昼前に朱莉からラインが入った。

【今日外でランチしない？新宿にいるの】