極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
顎に指を当てながら答えると、彼女は今度はキラリと目を光らせた。

「じゃあ、プライベートは?」

その質問にギクッとなる。

前園ととんでもないことがあったけど、告白する気にはなれなかった。

自分でもどうしてああなったのかパニック状態で、いろいろ聞かれても困る。

「……何もないよ」

店員が運んできたグラスを見つめながら返した。

嘘をついてチクッと胸が痛む。

「柚月はさあ、昔から全然恋バナしてくれないよね?」

彼女は少しガッカリした声で言った。

「それは朱莉みたいな胸キュンな話がないからだよ」

そう言い訳したら、彼女は拗ねた。

「私って……柚月に信用されてない?」

これはデジャヴ?

朝、美希ちゃんにも同じようなこと言われたよね?

「信用してるよ。本当に朱莉に報告出来るような嬉しい話がないだけ」
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