年下御曹司は初恋の君を離さない
会釈をして頭を上げると、そこには意味ありげにほほ笑む友紀ちゃんの顔がある。
その笑みに恐れをなしていると、彼は満面の笑みを浮かべた。
「会社では俺のことを友紀ちゃんではなく、副社長で呼ぶことには同意した」
「……はい」
ようやく納得してくれたことにホッと胸を撫で下ろしたが、この笑みは危険な香りがする。
だが、次の言葉を聞いて私は力が抜けた。
「でも、プライベートでは俺のこと名前で呼んでくださいね? 未来さん」
「……プライベート」
「そう。プライベート」
「それは、ビジネス絡みではないときという認識で大丈夫でしょうか?」
「……その認識で間違いないですよ」
ニッコリとほほ笑んで頷く友紀ちゃんを見て、大きく息をついてしまいそうになった。
本人を目の前にしてあからさまに安堵のため息を漏らすわけにはいかず、グッと我慢する。
だが、内心ではニンマリ頬が緩んでしまいそうになるほど安心した。