年下御曹司は初恋の君を離さない

「いいですね」
「え?」
「あの頃は、未来さんの方が背が高かった」
「あ……ああ」

 確かにそうだった。

 私は自分より背が低く、可愛らしい友紀ちゃんをこうして至近距離で見下ろしていた。 だが、今は形勢逆転。友紀ちゃんに見下ろされることになるなんて。
 あの頃の私は、想像もできなかったことだ。

 そう思ったらおかくしなって、フッと笑い声が零れてしまう。

「そうね。こんなふうになるなんて、思ってもいなかった」

 それに、上司と部下という立場で再会することも想像できなかった。

 思えば、友紀ちゃんは私にとってびっくり箱みたいな人だ。
 突然現れたかと思ったら、音信不通になり……。かと思えば、上司として私の前に現れるなんて。

 それも、本当は男性だったり、こんなふうに背が伸びていたり。
 はたまた、うちの家族と何度も会っていて仲良しになっていたり……

 まだ、私に隠していることがありそうな……そんなふうに危惧してしまうほどだ。
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