年下御曹司は初恋の君を離さない
「ねぇ、友紀ちゃん。どうして手を繋ぐ必要性があるの?」
私だっていい大人だ。さすがに迷子になるなんてことはない。
友紀ちゃんと肩を並べて歩けば、特に問題にはならないはずなのに……
そう訴えると彼は歩調を緩めた。そして、私の隣で肩を並べると至極真面目な顔をして言う。
「あるよ。未来さんをこの人混みから守りたいから」
「へ?」
「痴漢から守ってあげなくちゃ。こんなにキレイな女性なんだから。触れたいと思うバカな男がいるといけないからね」
「……」
「あと、もう一つ」
「……まだ理由があるの?」
駅に隣接されている目的の場所、百貨店の扉をくぐりながら彼は満面の笑みを浮かべた。
「俺が未来さんにくっついていたいから」
「っ!」
「ね? 必要性あるでしょ?」
屈託なく笑う彼に悪気は一切ない。目をキラキラと輝かせながら、私を見つめている。
その視線がまぶしすぎて、そして……時折男の色気も感じてドキドキしてしまう。
咄嗟に視線を逸らすと、友紀ちゃんに手を引っ張られ、より彼に近づくことになってしまった。