年下御曹司は初恋の君を離さない

「とにかく、タクシーで帰ってね。未来さん」
「はい」

 返事をするしかない。素直に頷く私を見て安心した様子の友紀ちゃんは、今度はタクシーの運転手さんにお願いし始めた。

「スミマセン、大事な人ですから。安全運転でお願いします」
「ははは。わかりましたよ」

 苦笑気味の運転手さんを見て、こちらが恥ずかしくなってくる。
 頬を赤く染めていると、友紀ちゃんは運転手さんにお金を渡している。それを見て慌てて彼を止めた。

「大丈夫よ、私が出すから」
「いいの。本当は僕が送っていってあげたかったんだから、これぐらいはさせて」
「……」
「ね?」

 こんなときばかり可愛らしく小首を傾げて上目遣いにするなんて狡い。

 渋々頷いたあとお礼を言うと、友紀ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
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