年下御曹司は初恋の君を離さない

「ゆきちゃん! 聞いているの?」
「聞いてるよ」
「貴方の大事な大事な秘書の一大事なのよ! 未来様の身になにかあったら、困るのはゆきちゃんでしょうが」

 唾をまき散らさんばかりに憤っている智子に、俺はコホンと小さく咳払いをする。

 怒り狂っている智子を見つめると、ようやく彼女が落ち着いた様子を見せた。
 どうやら冷静に状況を話すことができそうだ。

 俺は椅子から立ち上がったあとに智子をソファーへと促し、自分はその向かい側に腰を下ろす。
 未来さんが心配で心配で仕方がないといった様子の智子を見て、目尻を下げてしまう。

 ある種、智子は俺にとってもライバルの一人ではある。だが、これだけ未来さんラブを見せつけられると敵ながら「あっぱれ!」と言いたくなってしまう。

 智子が不安がるのは仕方がないと思う。俺もちょうど同じ頃から未来さんに対して違和感を覚えることが増えたからだ。
 俺は膝の辺りで手を組み、前のめりになりつつ智子を見つめた。
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