年下御曹司は初恋の君を離さない
「でもね、未来様だって恋の一つや二つすることでしょうよ。それに、あんなに素敵な女性なんですもの。男の目にだってすぐに止まるに決まっているわ」
「……」
「未来様が幸せなら……いいの。久保未来ファンクラブ会長としては、未来様の幸せを祈ることだってできるわ! だけど……だけど、私にだけは真相を話してくださってもいいのに」
「未来さんに昼休憩のこと、聞いてみたのか?」
目に見えて心が沈んでいく智子を労りながら聞くと、彼女は力なく頷いた。
「それとなく聞いてみたんだけど、未来様ったら申し訳なさそうな顔になって謝ってきたの」
「そうか……」
「恋人が出来たのかしら? 昼休憩のときに恋人と連絡を取り合うために、一人でご飯を食べることにしたのかも」
「……」
「寂しいけど、仕方がないんだよね。未来様の幸せは、私の幸せ。そして、ゆきちゃんの幸せ」
「あのな、智子。勝手に俺の幸せにするな」
未来さんが俺以外の男と付き合い出したことに幸せなんて感じて堪るものか。
口元を歪めた俺に対し、智子は食ってかかってきた。