年下御曹司は初恋の君を離さない
「バカな。俺は絶対に未来さんを諦めませんよ? 七年前の貴方のようには決してしない。指を咥えて彼女が去って行くのを見るなんて耐えられませんからね」
一歩も引くつもりはない。それを藤司に見せつけると、彼は呆れかえったように眉を上げた。
「まぁ、いい。とにかく畠山みのりには気をつけろ。アンタがどうなっても俺は構わないが、未来に危害が及ぶことは許せない」
「……」
「あの女は、どんなあくどい手を使ってくるかわからないからな」
藤司はゆっくりと立ち上がり、障子を開く。月の光で枯山水の庭が妖しく光る。
その風景は怖いほどに美しい。
庭を眺める藤司の背中に向かい、俺は口を開いた。
「ご忠告ありがとうございます。ですが、そろそろ未来さんを返していただきますよ」
すると、藤司は部屋に向き直り、俺を見下ろしてくる。