年下御曹司は初恋の君を離さない
とはいえ、ヤリ手企業人の顔をした友紀ちゃんはとても格好よく、凜々しい。
そんな姿を間近で見ることができるので、私はこっそりと幸せを噛みしめているのだ。
何度も言うが、本人には口が裂けても絶対に言うことはできないけど。
それに、今の私はプライベートの彼とも接することができる。思わず浮き足立ってしまうのも仕方がないだろう。
だけど、それを友紀ちゃんにバレて指摘されるのは恥ずかしいので、ひた隠しにしているつもりだが……なんだか彼にバレているような気がして、正直居たたまれない。
ご飯を終え、順番にお風呂に入ったあと、私は明日の支度に取りかかっていた。
すると、部屋の扉をノックする音が聞こえる。恐らく、友紀ちゃんだろう。
紀彦たちならノックなどせずに「おーい」なんて声をかけてくるのが通常だ。こうしてノックする人間は我が家にはいない。
それに、友紀ちゃんは我が家で寝泊まりするようになってから、毎日寝る前になると私の部屋へとやってくるのだ。
「はい、どうぞ」
「今いいかな、未来さん」
ゆっくりとドアを開いて、隙間から顔を覗かせる友紀ちゃんが可愛い。
大丈夫かな、と少しだけ心配そうな顔をしている友紀ちゃんを見て、私は頬を緩ませた。
私がドアを開くと、ようやく友紀ちゃんが安心した顔になって部屋に入ってくる。