年下御曹司は初恋の君を離さない

「ほら、こんな調子なんだぞ? 仕事終わったときぐらい、未来さんとイチャイチャしてもいいと思う!」
「ちょっと変な主張していないの。さっさとご飯食べよう」

 私はお母さんの隣へと移動し、炊飯ジャーを開けてご飯をお茶碗によそう。
 お父さんは今週大阪に出張のためにいないが、友紀ちゃんがいるので賑やかな食卓だ。

 こうして友紀ちゃんが我が家にいても、何も違和感を覚えなくなった。
 それどころか、彼がいなくなってしまったら寂しくなるかもしれない。そんなことをふと考えてしまうほどだ。

 目の前に座る友紀ちゃんをチラリと盗み見していると、友紀ちゃんと目が合ってしまう。
 ん? と柔らかくほほ笑んでくる友紀ちゃんが格好よくてしかたがない。

 好きだと意識した途端、友紀ちゃんのことが気になって気になってたまらなくなってしまった。
 だからこそ、会社ではクールな秘書の顔で対応している。そうしなければ、仕事にならなくなってしまうからだ。そんなことは、本人には絶対に言えないけれど。

 友紀ちゃんは先ほど仕事中の私が冷たいと言っていたが、彼だっていざ仕事をしているときはプライベートの表情は全く見せない。
 だから、私があんなふうに言われる筋合いはないはず。お互いさまだ。
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