年下御曹司は初恋の君を離さない
もし……友紀ちゃんが畠山さんを選んでしまったとしたら、私は彼の近くにはいられなくなるだろう。
畠山さんが彼の側に私がいることを許してはくれないはずだ。
小華和家で畠山家との縁を結びたいと思っていたとしたら……私には出る幕はないだろう。
それは、友紀ちゃんが私のことを好きでいてくれたとしても、会社の繁栄のためにはそういう決断をしなくてはならない。
(でも、今は……私の側にいてくれているんだから)
好きだと囁き、優しいキスをしてくれる。そして、毎日私の側にいてくれている友紀ちゃんを信じよう。今の私に出来ることは、それのみだ。
パンと小さく頬を叩いて気合いを入れ直す。
これからどうなるかはわからない。だけど、私の気持ちは変わらないだろう。
友紀ちゃんが好きだ。その気持ちだけは、誰にも踏み入ってほしくない。
「とにかく、今は仕事」
ショルダーバッグを肩にかけ、私は友紀ちゃんがいる控え室へと向かう。