年下御曹司は初恋の君を離さない
「どういうこと……?」
自分で呟いておいてなんだが、理由はわかっていた。
小華和家では、畠山家との縁談に乗り気だということだ。それは、友紀ちゃんの意思とは別のところで動いているのだろう。社長が彼女らを招待したということは、そういうことだ。
友紀ちゃんの気持ちは疑っていない。だが、こういう未来が来るかもしれないと予感することはあった。
あとは、私が身を引くだけなのだろうか。それとも、引導を今日渡されてしまうのだろうか。
小華和社長―――友紀ちゃんのお父さん―――と私は、いい関係性が保てていると思う。
だが、それはビジネスの場においてだけだ。
小華和社長は会社存続のため、より会社を大きくして躍進させるために畠山家と懇意になろうと考えているのだろう。
ズクズクと胸が痛み、何も言葉が出てこない。
口を開けたが最後、声ではなく涙が零れ落ちてしまいそうだ。
鞄の中で携帯が震えた。メールが来たようだが、今は見る余裕はない。