年下御曹司は初恋の君を離さない

「先ほどの女性、出席名簿に上がっていました?」
「え? 先ほどの女性……畠山様ですか?」
「ええ、そうよ」
「畠山様は急遽社長が参加をご依頼したと聞いておりますが」
「社長が……」

 ポツリと呟くと、彼女は大きく頷いた。

「今朝方、社長から急遽畠山様という方がご家族で参加されると」
「……」
「どうかされましたか?」

 私があまりに難しい顔をしていたのだろう。その女性はとても心配そうに表情を歪めている。

「大丈夫。ちょっと聞いていなかったものだから、ビックリして」

 ありがとうございます、とお礼を言ったあと、私は震える足をなんとか動かしてその場から立ち去る。
 友紀ちゃんが待つ待機室に行かなければならないのはわかっている。だが、今は少しだけ心の整理をしたい。
< 316 / 346 >

この作品をシェア

pagetop