年下御曹司は初恋の君を離さない

「友紀ちゃんは渡さない……! あのセリフ、めちゃくちゃ良かった」
「……」
「記者たちがボイスレコーダー持っていたから、音源はありそうだ」
「は!?」
「今度、譲って貰おう」
「何を言っているのよ!」

 そんな恥ずかしいこと、勘弁してもらいたい。真っ赤になって注意する私だったが、ふとあることを思い出す。

 そういえば、私は違う件について友紀ちゃんを問い詰めなくてはいけないことがあったのだ。
 ジロリと彼に視線を向けると、少々顔を引き攣らせて困ったように視線を泳がす友紀ちゃんに詰め寄る。

「私、いつ友紀ちゃんと婚約したのかしら?」
「ん? そうだったかな?」
「そうだったかな? じゃない! 友紀ちゃんが告白してくれたから、その返事をしようとしたのに止めたでしょ? それなのに、いつから私は貴方の婚約者になったって言うのよ」

 ムンと唇を横に強く引くと、彼は両手を挙げて降参のポーズをした。だが、そこは友紀ちゃんだ。一筋縄ではいかない。
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