年下御曹司は初恋の君を離さない

 だけど、畠山さんが言っていた通り。私には何もない。家柄だって彼女と比べたら雲泥の差だ。
 友紀ちゃんのお父さんである小華和社長が私との結婚を許すわけもない。

 彼にその不安をぶちまけると、一瞬息を呑んだあとお腹を抱えて笑い出した。

「あはは。大丈夫だよ、未来さん」
「え?」

 キョトンと目を見開く私に、友紀ちゃんは笑いすぎて目尻に溜まった涙を指で拭う。

「うちの父さん、叔父さん、そして秘書部長。あの三人オヤジは、俺の味方だから」
「は……?」
「未来さんがうちに入社したときにね、あの三人を脅しておいたんだよね」

 なんだか穏やかではない。顔を顰める私を見て笑ったあと、友紀ちゃんは朗らかに言った。

「未来さんをあらゆる害から守ってくれなければ、俺は小華和堂を継がないからってね」
「っ!」
「特に男関係。絶対にヘマをしないでってお願いしておいた」
「お願いしたって……」

 呆れかえっていると、友紀ちゃんは唇を尖らせる。
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