年下御曹司は初恋の君を離さない
相変わらずな智子ちゃんに肩を竦めていると、私に向かって手招きをしている人物が見えた。秘書部長だ。
私ですか、と自分に指を向けて声を出さずに唇を動かして聞くと、秘書部長は大きく頷いた。
やっぱり、私に用事があるようだ。
書類をデスクに置いたあと、私は足早に秘書部長の所へと行く。
すると、すぐさま奥にある部長室に促された。
扉を閉めてブラインドを下げたあと、ソファーに座れと促される。
なにやら厳重な様子の秘書部長に警戒しつつ、私は促されるままソファーへと腰をかけた。
何を言われるのだろう、と怪訝顔で秘書部長を見つめると、彼は大きく息を吐きながら私の真向かいに座る。
「新副社長の友紀さんのことだが」
「あ、はい。それで部長、いつ副社長は本社へやってくるのですか?」
「……」
「と、言うか。私、副社長がいつから勤務されるのか、以前より部長に打診させていただいておりましたが聞いていません」
「……」
「部長!」
今日こそは、いつものように逃げさせはしない。
何が何でも、今後のことについて聞いておかなければ。