年下御曹司は初恋の君を離さない


「先日、葉書を送りましたが。見ていただきましたか?」
「っ!」
「あの葉書に書いておきましたが、メッセージは読まれました?」
「……!!」
「『帰国することになりました。未来さんに会いに行きます』というメッセージを」

 確かに先日実家に届いた定期便には、油性のマジックでそう書かれていた。
 その内容を知っている人物は、ただ一人。
 永妻友紀ちゃんだけのはずだ。

 だけど、彼は私に届いた葉書の存在も、そしてそれに書かれてあったメッセージの内容まで把握している。ということは、やっぱり……

 私は震える唇で、彼に問いかけた。

「……友紀、ちゃん?」

 恐る恐る呟いた私を、友紀さんはギュッと抱きしめてきた。

「そうですよ! 友紀です」
「ええ!?」
「うわぁ、本物の未来さんだ」
「ちょっと、友紀ちゃん!?」

 私を突然ギュッと抱きしめてきた彼に驚きが隠せない。

 相手は私より年下とはいえ、立派な成人男性。それもこの老舗お菓子メーカー小華和堂の副社長。社長の息子と聞いているから、所謂御曹司だ。

 それも昔は私より身長も低かった。それに、声だって可愛らしかったはず。
 女の子だと思って可愛がっていた子なのに……

 今の友紀ちゃんはどう見たって、私が記憶していた彼女じゃない。
 立派な成人男性だ。
 
 硬直している理由は、驚きの連続だということはもちろんだが、他にも理由はある。

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