年下御曹司は初恋の君を離さない


「帰ってくるんだ……! 友紀ちゃんに久しぶりに会える!」

 だけど、同時に罪悪感が押し寄せてきて、なんとも言えない気持ちになる。

 こうして何年も葉書を送り続けてくれているのだから、私のことは忘れていないのだろう。
 そのことについては、正直嬉しい。
 可愛い妹分の友紀ちゃんが、ずっと私を慕っていてくれている証拠だからだ。
 
 だけど、もしかしたら、友紀ちゃんはあの頃と同じ気持ちを抱いているのかもしれない。

(どうしよう……やっぱり誤解は解けていないよね)

 あのとき、私は彼女に重大な事実を言いそびれていて、真実を伝えることができなかった。
 留学をすると私の前から姿を消したときには、彼女と二度と会うことはできなかったし、連絡手段も残念ながらなかった。
 
 でも、八年も経ったのだ。
 さすがに、彼女の気持ちは違う人へと向かっていることだろう。
年上の人に憧れる時期だ。一瞬の熱病みたいなものだったはず。
 だから、心配のしすぎかもしれない。

 しかし、万が一……私への思いがまだ残っていたとしたら?
 
 あの頃の風貌とはすっかり変わった私を見て、友紀ちゃんはなんて思うのだろう。
 そして、友紀ちゃんは、どんな女性になったのだろうか。

 楽しみで胸が高揚していく。だが、同時に胸の奥がツキンと痛んで、彼女とはもう会わない方がいいのかもしれないとも思う。

 私は、葉書を胸に抱きながら、彼女との出会いを思い返した。


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