翼の折れた鳥たちは

「敦也、俺たち別にお前が車いすだとか関係なく友達だから。出来ることはサポートする。もちろん出来ないことは出来ないっていうけど」

帰り際、送迎車に乗り込む前にチカラくんが敦也くんの肩を叩きながら、照れ臭そうに話し始める。


「うん、サンキュ」

キャップをかぶった敦也くんが、頬を赤らめたのを隠すように深くキャップをかぶり直しながら、チカラくんにお礼を伝える。

お互い照れ臭いのを隠していて言葉はぎこちないけど、それでも気持ちは十分すぎる程伝わってきた。

敦也くんとチカラくんの会話を暖かく見守りながら、重光先生がまた瞳を潤ませている横顔が視界に入ってきた。

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