翼の折れた鳥たちは

招待席までの移動も彼らは重光先生の指示のもと、敦也くんをサポートしてくれた。

段差はみんなで敦也くんの車いすを持ち上げる。

最初は彼らのサポートを戸惑った様子で受け入れるしか出来ないでいた敦也くんも、次第に笑顔を見せ始めたんだっけ。



『みんなの輪の中心に居た』

病院に重光先生が挨拶に来院された時、敦也くんのことを熱弁していた重光先生の言葉がふと頭を過ぎる。


いつの間にか、かぶっていたキャップを脱いでいた敦也くんの笑顔が弾ける。


太陽みたいな笑顔。

友達と話をしている敦也くんの様子を見ながら、敦也くんがみんなの輪の中心に居た人物だってことは簡単に想像がついた。

< 185 / 290 >

この作品をシェア

pagetop