翼の折れた鳥たちは
「車いすバスケのこと、敦也から聞いたよ」
遠くの空をぼんやりと見つめながら、チカラくんが口を開く。
「時間帯が遅いこともあって、病院としては付き添いが出来ないの。敦也くん傷ついてるよね?」
落胆の溜め息が、思わず口から漏れ出てしまう。
「敦也は傷ついているよりも、葵ちゃんのこと心配してた」
「えっ?!」
思いもよらない言葉に、チカラくんの方に身体を向き直す。
「あんな暗い歌詞の唄をテラスで聞かされるんだ。敦也だって心配するに決まってる」
フッと小さく笑ったチカラくんがそう言ったから、私は小さくなるしかない。
「ここで葵ちゃんが唄ってること教えてくれたのは敦也。あいつに葵ちゃんの様子見に行ってくれって頼まれたんだ。敦也は階段上れないから、葵ちゃんの近くには行けないからだって」
敦也くんの優しさが、心の奥をくすぐる。
遠くの空をぼんやりと見つめながら、チカラくんが口を開く。
「時間帯が遅いこともあって、病院としては付き添いが出来ないの。敦也くん傷ついてるよね?」
落胆の溜め息が、思わず口から漏れ出てしまう。
「敦也は傷ついているよりも、葵ちゃんのこと心配してた」
「えっ?!」
思いもよらない言葉に、チカラくんの方に身体を向き直す。
「あんな暗い歌詞の唄をテラスで聞かされるんだ。敦也だって心配するに決まってる」
フッと小さく笑ったチカラくんがそう言ったから、私は小さくなるしかない。
「ここで葵ちゃんが唄ってること教えてくれたのは敦也。あいつに葵ちゃんの様子見に行ってくれって頼まれたんだ。敦也は階段上れないから、葵ちゃんの近くには行けないからだって」
敦也くんの優しさが、心の奥をくすぐる。