翼の折れた鳥たちは

『そんなある日、空から歌が降ってきました。

それが、星原葵さんの歌声でした。

俺の担当理学療法士は、頼りなくて新人オーラ丸出し。こいつで大丈夫なのか?!って思っていました。


いや、未だに思ってます。

星原葵さん、彼女はきっと今立ち止まっていると思います。

自分の選んだ道が本当に正しかったのかということを悩んでいると思います。


だって俺が『歌うことを辞めないで』って退院の時にお願いしたら、泣くんです』


敦也くんの退院の時の言葉が鮮明に思い浮かんでくる。


『本当に理学療法士を突き進むって決めたら、きっと彼女は泣かなかったでしょう。

唄うことを決めていたら、彼女は笑って頷いてくれたでしょう。


だけど、彼女は涙を流して返事をしませんでした』

敦也くんの想いが痛いくらいに胸に突き刺さる。


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