翼の折れた鳥たちは
「一番の問題はここ。趣味だよ、趣味」

ただでさえ低い声の部長が、履歴書のある一点を指さしながらさらに声を潜めて眉間に皺を寄せている。

「趣味、楽曲制作、唄うこと」

あぁ、やっぱり。歌のことか……。

「星原さんは歌うことは趣味って言ってたけれど、毎週週末に歌のオーディションを受けているって、それって本当に趣味?趣味の域を超えているんじゃないか?」


「……いえ、趣味です」

私の答えに、部長が首を傾げる。


趣味だ、誰がなんと言ったって、趣味なんだ。

ううん、趣味にしたんだ。

歌手になって、歌でたくさんの人を元気にしたいって夢は、もう諦めたんだから。

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