翼の折れた鳥たちは
私の反応に部長は呆れたように小さく笑った。

「本当はすぐにでも始めたいけれど、スタッフの人数にも限界がある。それぞれの都合もあるだろう。遅くても来年度には体制を整えたいと思っている。そこでだ」


「そこで?」
私は気づかれない程度に息を飲んだ。

「僕は、そろそろ星原さんは将来について考える時期なんだと思ってるんだ。理学療法士か、それとも歌なのか」

いつか部長に指摘されるかと思っていたこと。

部長は、私が唄うことをあまりよく思っていないってことも知っていたから。

だけど、それが今日で、このタイミングで言われるなんて思ってもみなかった。


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