朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「咲桜、蒼は十三のお守り役が過ぎて、十三の話になるといつもこんな感じなんだ。別に怒ったりしてるわけじゃないから」


「そう、なんですか……」
 

十三のお守り役? ……それで苦労性ってことかな?


「十三って、十三桜のことですか?」


「そ。関係者の間だと、全部言うのが面倒でそう呼ばれてる」
 

十三……十三人の、Pクラス。
 

ふと、蒼さんが視線をあげた。


「流夜。開店時間に合わせるならそろそろ出た方がいいと思うけど?」
 

あ、時計見ていたんだ。


「そうだな。咲桜、今度、蒼以外にも十三がいるとき連れてくるから、話はまた今度でもいいか?」
 

そうだった。


つい訊いちゃったけど、目的地はここではないらしいんだった。


「うん。あの、またお話、聞きたいです」


「ああ。俺より話上手なの、用意しておくよ」
 

と、茶化すように蒼さんが答えた。

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