朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
苦し紛れな俺だ。口は渇いてそんなことしか言えない。
しかもその一言で、空気がぴんと張りつめてしまったような気さえした。
俺がこくりと唾を呑み込んだ直後、神宮先生から鋭い反応があった。
「あ?」
………―――――。
見透かすどころか、射抜き殺すような瞳。
俺……もしかしてかなりヤバい人に、共犯者持ちかけちゃった……?
「現状、俺がそちらの秘密握ってんだ。下手な真似するな」
……口調までがらりと変わった。
神宮先生って、こんなだったんだ……。
「……下手な真似じゃない」
「………」
神宮先生は、品定めるみたいに見てくる。