朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「そうしてください。咲桜姉様のことは私から話しますけど。……怒られる気配しかしない……」


「……あいつ怒るとほんと怖―よな」


「……ああ……」


兄弟、また同じように項垂れた。


「ああああの! 私からも謝らせてください! 私が原因だし――」


「咲桜姉様」
 

私が泡喰って割り込むと、つ、と斎月が身を乗り出して私の唇に一本指を当てた。


「流夜兄さんはそういうこと、負える人でしょ?」
 

年に合わない妖艶な微笑で言われて、思わずこっくり肯いてしまった。


「そういうとこ、頼れる人には頼っていいんですよ。たぶん咲桜姉様に頼ってもらえないと、流夜兄さん拗ねるでしょ」


「……変なこと吹き込むな」
 

それこそ拗ねたような言い草に、私は高速で二人を見遣った。そして、


「流夜くん! やばい! 斎月カッコいい!」


「……わかったよ。落ち着きなさい」
 

流夜くんは、斎月が指を離した私の頭を引き寄せた。

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