朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「もし一人で食べてるんだったら、うちで食べていきなさいよ。あ、笑満に料理の腕期待しちゃダメよ。お菓子はいいんだけど……ほんと、咲桜ちゃんに弟子入りしてきたら?」


「う……わ、わかってるよ! ってかもうちゃんと習いに行ってるもん!」
 

え、そうなの? 知らない話に何も言えないでいると、笑満ちゃんは勢いよくこちらを見て来た。


「咲桜に習ってるもん。遙音くん、咲桜のお料理すきだもんね!」


「え――あ、うん?」
 

急に話を振られて、曖昧ながら肯いた。


咲桜の作るものは美味しいけど、神宮に作られた弁当をぶん取るのが本当に『面白い』から横取りしているんだ。本気で怒るから。


「あら。咲桜ちゃんともお友達なの?」


「ともだち――かどうかは……」
 

断言できない。

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