朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


「え? だめ、とは……?」


「せっかく在義さん公認で朝までいられんだから、嫌なわけないだろ。むしろ、明日になって帰せるか心配」


「………」
 

て、照れてしまうじゃないか。そんなに、一緒にいていいと言ってもらえるなんて。


「咲桜……」


「はい?」
 

流夜くんの左手が、右側に座る私の右頬を捉えた。何かを言いたげに瞳が細められた。


「……来年も、こんな風にしたいな」


「こんな風?」


「お互いの誕生日が重なる時間、一緒にいたい」


「………うん」
 

恥ずかしくて瞼が伏せ気味になる。


なんか私、流夜くんの前では途端に大人しくなってしまう……。


学校では『日義の飼い主』とか呼ばれているんだけど。


「また、在義さんに了解もらっておく」

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