朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「ごめんごめん。反応がいちいち可愛くて」
「……面白くて、の間違いでは」
「可愛くて楽しくて面白くて」
「結局からかってんじゃないですか! 爆発したもん喰わせますよ⁉」
「喰わせる?」
「う……た、食べさせますよ?」
松生発の言葉教育に俺も乗っかった風を装ってみると、案の定咲桜は訂正した。
「喰うと食べるは違う意味だからいんだけどな」
「そうなの?」
「調べなさい」
ぽん。また、頭に手を置いた。
「夕飯。作るか」
「あ、そうだね。変なタイミングで切っちゃってごめん」
まだ途中でしたー、と咲桜が慌ててキッチンに戻る。
「……あのね? 流夜くん」
その手前で、ゆっくり振り返って来た。