朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「うん?」
「その……私が流夜くんを嫌いになるとか、それだけは絶対あり得ないので」
「……俺、なんかしたか?」
「私の宣言みたいなもんです。なんか――急に、言って置くべき気がして」
「……ありがとな。でも宣誓のが嬉しいかな?」
「宣誓? って、大会の開会式でやるあれ?」
それは選手宣誓だな。
「まあ、誓いの方が、ってことかな」
「………」
すっと咲桜は片膝を折った。
「今度はなんだ?」
「お手を。今から誓い申し上げます」
「……咲桜」
呆れた声しか出ない。
それはまるで騎士の誓いじゃないか。
なんで男相手に片膝をつく。俺も床に片膝をつけた。そして言い渡す。
「お前しばらく男らしい言動禁止」