ひだまり
「ホェ~!
高校の先生と…………。禁断の恋かぁ~
でも……それだけ大変な時間を乗り越えたんだから…
オレは上手くいくと…思うんだけどなぁ…。」

バレンタインの翌日。

つまり、内緒の告白から…一日後。

今は彼女の恋愛相談。

もちろん、オレとの話しではない。

今日は本当に妹の相談だ。

妹の千尋ちゃんと彼氏の高校教師のこと。

電話を切った後…

デートで遅くなると言って、出掛けた妹が泣きながら帰ってきたらしい。

どうも………

『大学生活を楽しめるよう

一度別れて千尋ちゃんを自由にする』と言ったらしい。

………多分……色んなことが、怖くなったんだろうなぁ~

自分の器の小ささを……自分で感じて…。

同じ男として、その気持ちは理解できる。

オレだって…

これ程純真無垢な彼女とどう向き合ったらいいのか……戸惑っている。

普通だったら、昨日のナイショの告白で

自分が告白したら直ぐ付き合えるって思うけど……

彼女の場合、憧れか恋かも分からないと言っているからなぁ。

前の彼氏にしても……自分は付き合っていたと思うのに

彼氏は自分と彼女の好きに違いがあると感じて……別れたと言うし。

どうも、恋愛以前に…教えることがありそうだよなぁ。

人を信じたり、愛情を受けとめたり……

愛されることに自信が持てるように………。

もしかしたら…妹の千尋ちゃんも……愛情を教えてあげないといけないのかもしれない。

姉妹、同じ環境で育ってるから……

彼女のように、愛情を素直に自分のものと思えないのかも。

だから彼氏は……自分以外の世界を見せようとしたのかもしれないなぁ~。

教師として、彼氏として……。

「それで……妹は、別れた方がいいんですか?」

「いや……。もう一度話しあったらいいと思うよ。
妹さんを大切に思うから……言った別れなら……。希望は十分あるよ。」

「良かった。妹にも伝えますね。
やっぱり、先生に聞いて……正解でした。
あっ!それと………もう1ついいですか?
………佐藤先生のこと…ありがとうございました。」

「えっ!聞いた?」

「はい。
あの日の帰りに。
彩ちゃんと海晴ちゃん………すみません。
彩先生と海晴先生が教えてくれました。
直ぐにお礼を言いたかったんですけど……
海晴先生に『男のプライド』だから、知らないふりして甘えとき!って言われて…
よく分からないまま……言わない方がいいのかなって思って。
でも……色んな事を思い返すと……
佐藤先生の時やペンダントの時も…そうですけど…いつも助けて下さって。
あの…私…本当に感謝してます。
ただ……どうして……こんなにしてもらえるのか不思議で……。」


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